リーダーになったら知りたい「リーダーシップの本質的要素」①リーダーシップを巡る旅に出発

リーダーになったら知りたい「リーダーシップの本質的要素」①リーダーシップを巡る旅に出発

はじめに:リーダーシップのカタチはひとつではない

「史上最も傑出したリーダーは誰だと思いますか?」という質問をされたら、あなたはどう答えますか? 

おそらく、答えは人によってさまざまで、リストには、世界史、日本史上の偉人だけでなく、企業の創設者やスポーツの監督など、多種多彩な人々が登場することでしょう。

ところで、こうして作ったリーダーたちのリストを見て私たちが気づくのは、同じ「リーダー」と見なされる人でも性格のタイプはひとつではなく、むしろバラバラと言っても良いほど、違いが大きいということなのです。

ひとりではリーダーシップは発揮できない

「それじゃあ、どんな人間を目指せばいいんだ? どうしたら、リーダーになるための勉強ができるんだ?」という、管理職のみなさんの声が聞こえてきそうです。

その通りです。ですから、なんとかリーダーシップの「核」になるような要素を抽出しようと、心理学者や経営学者を中心に、これまで多くの努力が費やされてきました。

その結果わかってきたのは、リーダーは、いくら傑出した能力を持っていても彼あるいは彼女ひとりきりでリーダーとして成功できるわけではなく、時代や環境 – ここではリーダーが置かれた「場」と呼びましょう – との関係も重要なのだ、ということでした。リーダーが率いることになる「チーム」も、その「場」のひとつです。近年提唱されたリーダーシップの理論は多かれ少なかれ、こうした考え方に基づいています。

とはいえ「場」の要素は無数にあり、その関係性も複雑です。これはどんなに高度な数学と理論モデルを使っても正確に予測することはできません。ましてやリーダーは、自分の仕事をこなしながら部下と接しなければならないのですから、限られた情報しか処理できないのは当然です。「場」のすべてを管理することなど、誰にもできないのです。 

脳科学の視点でリーダーシップにアプローチする

最近、脳科学の進歩とともに、リーダーシップの分野にもその成果を応用しようとする動きが出てきました。

学会だけでなく、英米ではすでに、脳科学の視点でリーダーシップにアプローチする啓蒙書や組織が生まれており、日本でも、やがては一般的になるものと思われます。

ここで重要になるのが、上記の「場」を形成する、個々のチームメンバーの脳内の活動、つまり個人としての心理状態です。メンバーは誰もが、仕事への期待と不安、他のメンバーに対するいろいろな感情を抱いています。これらが行動として外に現れ、相互にからみ合うことによって、チームとしての「場」を生み出すわけです。

リーダーシップを巡る旅に向けて

多くの組織の構造がフラットになりつつある現代ではありますが、何らかの形でリーダーとなったなら、メンバーの心理を調整してまとめ上げ、一致した方向にリードしなければ、チームの仕事は達成できず、リーダー自身はもちろん、メンバーも多かれ少なかれ不幸になってしまうでしょう。

そこで本シリーズでは、「チームメンバーの『個』としての自律性を尊重しつつ、チームとして一致して課題にあたるために、リーダーは何をするべきか」を考えていきます。

リーダーになった、あるいは、なる予定の人にわかりやすくするために(少し硬い表現になりますが)「リーダーシップの5要素」として「企業目的(ミッション)」「目標」「フィードバック」「支援」「奨励」の5つを取り上げます。これらは科学的に確かめられた「リーダーシップの本質をなす要素」で、互いに深く関係し合っていますが、リーダーが「今、何をなすべきか」を判断するには、1つずつ分けて考え、その上でわかりやすいタグをつけるほうが便利です。

次回はまず「企業目的」から「リーダーシップについて考える旅」に出発することにしましょう。

まとめ:リーダーシップは人生そのもの

今回は、「リーダーシップ」理論の動きを確認し、脳科学にも接近しているという近年の状況を見てきました。さらに、旧来の「俺について来い」一辺倒のリーダーシップではなく、心理的にも個の自主性を重んじたチーム主導が求められている現状に触れました。

人は自分自身のリーダーでもあります。そういう意味では、リーダーシップを身につけることは、自分自身の人生の旅をナビゲートする一助になるのかもしれません。


第2回はこちら >

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