セールスプロセスとは?セールスプロセスの標準化が今重視される背景について

市場が大きく変化するなか、セールス部門を見直し、営業組織の強化を図りたいと考えている企業も多いのではないでしょうか。
その際、セールスプロセスの標準化は最初に取り組むべき課題と言われています。
しかし、セールスプロセスとは何なのか、営業管理者や営業担当者にとってどのような価値があるのでしょうか。 

本記事では、セールスプロセスとその標準化が必要な理由について詳しく解説します。営業組織の強化策検討の第一歩として、ヒントにしてみてください。 

セールスプロセスとは?

セールスプロセスとは、「受注に到達するための有効な活動ステップを論理的に順序立てて並べた活動の繫がり」のことです。
BtoBやBtoCなど、企業形態により活動ステップの数や内容は変わりますが、単純化して言えば、「アプロ―チ」「ニーズ確認」「提案・見積」「クロージング」といった一連の流れをセールスプロセスと呼んでいます。

セールスプロセスの標準化とは

営業活動を行う際、営業担当者個人の能力や経験、商談の進め方によって、受注率にばらつきが生じます。
そこで、全体受注率の平準化のために、受注率の高い営業担当者の活動を参考にして、組織全体のセールスプロセスを作成します。これが、「セールスプロセスの標準化」です。

実際に成功している人の行動パターンを分析して共有することで全体の活動の質が底上げされれば、組織の営業力向上が可能となります。また、個々の営業担当者の成長にもつながるでしょう。

インターネット普及前後の購買行動の変遷とそれに伴うセールス手法の変化

購買者の意識や行動は時代の流れとともに常に変化してきています。
買う側のプロセスが変わるのですから、販売側のプロセスもそれに合わせて変わっていく必要があります。
特に、インターネットが普及する以前と以降では、購買者の行動は大きく変わりました。ここで詳しく解説します。

インターネット普及前の購買スタイルとセールス手法

インターネットが普及する以前は、購買者 が情報を手に入れる方法は少なく、何か得たい情報があれば店舗あるいは販売元の企業へ直接問い合わせたり、直接出向いて商品を見定める等の必要がありました。
BtoBのビジネスでは、情報は主に営業担当者から得るものであったため、営業担当者の持つ情報量や他者の口コミが購買者の購入動機や意思決定のプロセスに大きく影響していました。

当時、購買者が販売者(購買先)を選ぶ際に営業担当者からの情報以外で参考にできるものは、マス広告やアナログ広告でした。
それらの広告は枠が限られていたため、枠を占めた企業が多くの売り上げやお客さまを獲得し、勝者となっていたのです。
そのため、広告が打てない企業はその他のセールス手法を模索し、営業担当者の増員や代理店網の拡大などで勝負することが求められました。
現在ではほとんど実施されていない直接売り込みをする「飛び込み営業」などは有用なセールス手法だったのです。

インターネット黎明期の購買スタイルとセールス手法

インターネットが普及した直後は、企業サイトを立ち上げる企業が増加しました。
購買者は検索し、サイトの情報を見て入力フォームやメールを利用して問い合わせをするようになります。
その後、問い合わせに応じて営業担当者から電話によるアプローチがされる、という流れがセールス手法の主流でした。
しかし、この頃の企業サイトは紙で作られた企業案内のweb版といった位置づけであることが多く、更新もさほど頻繁には行われていませんでした。
そのため、WEBサイトを活用したマーケティングが確立されておらず、ましてやセールス手法として利活用するなどはほど遠い状態でした。

インターネット普及後の購買スタイルとセールス手法

インターネットが一般に普及すると、購買者は地域や商品の種類を特定せず、広い範囲を検索して各サイトの情報を比較し、他者の意見(口コミ)等も参考にしてから購買行動をとるようになりました。
各企業はインターネット上で広告を出すことにより、お客さまとの接点を飛躍的に増やしましたが、情報があふれてしまい自社の情報を発見してもらうことは難しくなりました。

現在では、企業サイトを中心に充実した情報提供をすることに加え、適切なタイミングでの広告配信やメール、電話が売上につながるカギとなっています。
インターネットの普及により、マス広告を利用していた頃のような広告枠による制限もなくなりました。
いかにしてお客さまに発見してもらい、ニーズに合ったメッセージを伝えるかが重要なポイントといえるでしょう。

こうした購買者の行動の変化、販売側との関係性の変化を背景に、セールスプロセスは変化を求められてきました。
インターネットを介してお客さまとの深い関わりをもつためのさまざまな手法が重視されるようになったのです。 

現代のセールスプロセスを支えるテクノロジーの進化

テクノロジーの進化によって、営業活動を支援するさまざまなツールが出てきました。
現代のセールスプロセスにおいてはこれらを使いこなすことも重要になります。ここからは、セールスプロセスを支えるテクノロジーの進化とさまざまな手法について解説します。

セールステックの普及

セールステックとは、営業(Sales)と技術(Technology)から生まれた造語であり、最新のITを使用して効率的に営業活動を行う手法です。
セールステックが普及したことで、営業の効率化は大きく進んだと言われていますが、同時に、ツールを使って効率化するだけでは受注率が上がらないこともわかってきています。
便利なツールだけに頼っても、受注率につながるとは限らないのです。

セールステックには、7つのカテゴリがあります。
営業加速ツールやカスタマーサポート、インテリジェンス・解析ツール、CRM(顧客関係管理)、顧客体験、コンタクト・コミュニケーション、人材開発・コーチングという各ツールを上手に活用して受注率を上げていくためには、やはり自社のセールスプロセスをきちんと定義することが重要です。

SFAの普及

SFAとは、「セールス・フォース・オートメーション」の頭文字を取った略語です。
企業の営業活動における情報全般をデータ化して蓄積し、分析することができる、営業の生産性向上・効率化を目的としたソフトウェアです。
営業支援システムと呼ばれることもあり、1990年頃に米国企業で注目され始めました。

日本には1990年代後半に伝わりましたが、当時は米国の企業との環境差も大きく、あまり普及しませんでした。
その後、インターネット環境が普及するにつれ、日本でもSFAを導入する企業が増えていきました。

企業がSFAを導入する主な目的は営業効率と営業収益の向上ですが、そのためには自社のセールスプロセスを確立したうえでSFAを安定的に運用し、定着させることが大前提です。
セールスプロセスを確立しないままSFAだけを導入してもうまくいかないでしょう。

セールスの分業化

テクノロジーの進化、インフラの発達に伴い、従来型のフィールドセールスに加えインサイドセールスという手法が登場し、セールスの分業化が進むようになりました。

インサイドセールスとは、もともとはアメリカの企業で取り入れられてきた手法で電話やメール、web会議システム等のツールを活用することで外出・移動の労力や無駄を省き、非対面であっても効率よく営業活動を進めることができる営業手法です。
インサイドセールスで営業活動の効率化が進めば、少ない人員や限られた条件下でも、受注率を向上させることが可能になるので、人材不足への対応策として日本でも取り入れる企業が増えています。

ただし、インサイドセールスはお客さまの顔が間近に見えないこともあり、受注率を上げるには非対面を前提としたセールスプロセスが適切に設計・運用されていることが重要なポイントとなります。

セールスプロセスがうまく回っていない企業の4つの特徴

セールスプロセスを確立したのにうまく回らない場合、何が問題なのでしょうか。ここからは、セールスプロセスをうまく回せていないケースの特徴を紹介します。

セールスステップを細分化しすぎている

セールスプロセスをあまりに細かく分けてしまうと、営業担当者が内容をしっかり把握できない可能性があります。プロセスの全体像も見えにくくなってしまいます。

セールスプロセスは、なるべくシンプルに設計することが大切です。
特に、SFAなどを導入した直後はなるべく活動ステップを少なめにしておくほうがよいでしょう。運用していくうちに必要な訂正点があれば、つど修正するようにすればよいのです。

各セールスステップの境界が明確になっていない

各ステップの境界は、きちんと定義しておくことが必要です。
各ステップの完了条件や定義が曖昧だと人によって理解が異なり、標準化したはずが個別の動きになってしまいます。また、次のステップへ進んでよいかどうかの判断ができないことも起きるでしょう。

特定のステップから進捗率が悪い場合も、人によって動きが異なるとすれば何がネックになって止まっているのか、検証することもできなくなってしまいます。
各セールスステップの境界は誰が見ても同じ認識になっているか、確認しておきましょう。 

変化に対応していないセールスプロセスを使い続けている

セールスプロセスは、常に改良を重ねていくものです。

セールスプロセスを正しく進めて受注につなげるためには継続的な見直しが必要となります。
成績の良い個人が新たに出てくれば、積極的にノウハウを共有させる仕組みも必要ですし、せっかく確立したセールスプロセスであっても、お客さまの購買行動が変わってきたら改める必要があります。

もちろん、現場の運用状況にも合わせていかなければなりません。
さまざまな環境変化に対応せずずっと同じセールスプロセスを使い続けることは、成長のチャンスを逃してしまうことにもつながります。

セールススキルが足りていない

どんなにすばらしいセールスプロセスでも、それを推進し、活かすのは「人」です。

やり方だけをプロセス化しても、営業担当者のセールススキルが伴っていなければ受注率は伸びません。
営業担当者はセールススキルを高めていく必要がありますし、営業管理者は数値だけでなく部下のセールススキルに目を向けて、適切な指示・支援をする必要があります。

まとめ

セールスプロセスの標準化は、営業力を効率的に向上させるために必要です。
また、確立したセールスプロセスを有効活用するためには、お客さまの購買活動の変化や環境の変化、運用状況に応じた見直しや修正を行わなければなりません。
セールスプロセスの標準化や見直しを検討している方は、まずは情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

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