第14回 契約間近で「ちょっと待って!」ためらうお客さまをサポートする方法

「いよいよ契約という段階で、お客さまに迷いが生じてしまった」という経験がある方もいると思います。
そのような場合、お客さまに対して営業担当者としてどのように対処していけばよいか、考えてみましょう。

お客さまのニーズはつかんだ、納得のいく提案もした、さあ契約だ! となったとたんに、お客さまの腰が急に引けて「ちょっと待ってくれよ」と言われたことはありませんか。
この時のお客さまはどのような心理状態にあるのでしょうか。

人は誰でも重大な決断をする時にはためらいます。
そのためらいとは「この決断(契約)がもたらすメリットはデメリットより大きいだろうか」という一言に尽きます。
営業担当者としてのあなたの役割は、お客さまにメリット・デメリットを明確に把握していただき、メリットのほうが大きいことを理解してもらうこと、そして契約の決断をサポートすることです。

メリット・デメリットを判断する軸は3つあります。

ひとつはその影響の大きさです。金額が大きく関係者が多数で長期に影響が及ぶものほど、デメリットが巨大に見えます。

もうひとつは時間です。一般的にいって、メリットはすぐには見えませんが、デメリットはすぐにわかります。歯医者にいく時、歯を治すことによるメリットは後になってみなければ実感できませんが、歯をガリガリやられる痛みはすぐわかります。

最後はその可能性の大きさです。「歯をガリガリやられる」のは「100パーセント確実」ですが、「歯が治って健康になる」可能性がそれより高いという確信はありません。

メリット・デメリットを判断する軸

1. 影響の大きさ
2. 時間
3. 可能性の大きさ

新しいことを導入したり契約したりすることは「変化」であり、メリットよりはデメリットのほうが「影響が大きく」「すぐに」「確実に」見えます。
これを乗り越えるためには、お客さまに次のような方法を提案し、できることならば一緒にやってみることが有効です。

  1. 賛否両論:契約することのメリット・デメリットをすべて数えあげて書き出してみる
  2. ミニマックス法:デメリットを最小(ミニマイズ)にし、メリットを最大化(マキシマイズ)する方法を、一緒に考える
  3. リスクの分担:契約の決定を一緒にする人、あるいはその決定を支持してくれる人が誰であるかを確かめ、契約したあとにサポートが得られることを確認する

このような枠組みでお客さまの考えを整理しながら、他のお客さまや他の会社において同様の事例で成功したケースを紹介したり、できれば実際にその事例のお客さまに話を聞く機会を設けたりして、その契約のメリットを実感できるようにサポートするのです。
特に、成功例の「数字」は非常にインパクトがあります。売上や利益、あるいは経営指標の数字が実際にどれだけ改善したかを示すことができれば、お客さまからの支持も得やすくなります。
また、こちらもリスクを分担する姿勢を示すために、保証書や無料試用期間を設けることは、お客さまが安心して決断する上で有効です。

いちばん大事なことは、お客さまに「契約しない」ことは、「契約する」こと以上のリスクやデメリットがあるのだ、ということを明確にわかっていただくことなのです。



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