第1回 営業プロセスは心理プロセス

一見、関連のない分野に見える「営業」と「心理学」。
実は、営業活動を成功に導くために、心理学のアプローチは非常に効果的です。
営業現場で効果を発揮する心理学のアプローチについて、考えてみましょう。

あなたの会社に「営業マニュアル」はありますか? それはうまくいっていますか?

「もちろん!」と胸を張った方も多いでしょう。
でも、「えっ うーん…」と考え込んでしまった方もいるのではないでしょうか。

うまくいっていない営業マニュアルはすぐわかります。それは、こちら(営業担当者)のやることしか書いていないものです。

「えっ、マニュアルって、自分たちがやることを書くものでしょ?」

普通のマニュアルはそうですね。でも、営業マニュアルは違います。
それは、営業とは必ずお客さまが相手だからです。
そして、お客さまはマニュアルどおりには動いてくれないもの。

下の図を見てください。

psycho_01.png

横軸は営業のプロセスです。

1. お客さまとの信頼関係をつくる
2. お客さまの問題を把握する
3. その問題の解決策を提案する
4. お客さまの満足を高める

次に、縦軸を見てください。
これは購買検討の初期段階から契約、そして納入に至るまでに乗り越えなければならない、お客さまの心理的な障害のプロセスです。

1. この営業担当者は信頼できるのだろうか(不信)
2. この問題は解決する必要があるのだろうか(不要)
3. 営業担当者の提案している解決策は最適なのだろうか(不適)
4. 購入の決定をしてしまったが満足できるだろうか(不満)

うまくいっている案件の場合、図の太い矢印のように営業プロセスが進むにつれて、お客さまの心理的障害が次々と乗り越えられていきます。
しかし、営業担当者が勝手に営業プロセスを進めても、お客さまはぜんぜんついてきてくれない、ということもよくある話です。細い矢印はそれを示しています。

では、なぜこんなことが起こるのでしょうか。

お客さまは、「まだあなたを信頼していません」とは直接言ってくれないのです。
「なんでこんな提案するのかな」とうんざりしたとしても、笑顔で「なるほどね」とうなずくかもしれないのです。

言葉の後ろに隠れているお客さまの心理がわからなければ営業は成功しません。
営業担当者が「信頼関係をつくったつもり」「問題点を把握したつもり」になっているだけだとしたら、その案件がうまくいくわけはないでしょう。

営業プロセスというのは、実はお客さまの購買心理プロセスを確認することでもあるのです。



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