リモートワーク環境下でのフィードバック3つのコツ

コロナ禍により多くの企業でリモートワーク化が急激に進んでいますが、リモート環境下では、オフィス環境に比べてコミュニケーションが取りづらくなる傾向があり、適切なフィードバックが難しいと感じているリーダーは多いのではないでしょうか。今回は、フィードバックの有用性と効果的な方法、そして、リモートワーク環境下におけるフィードバックのコツをご紹介します。

人材育成におけるフィードバックの重要性

フィードバックの意味

「フィードバック」は本来、入力と出力のあるシステムで、出力された結果を入力側に戻す操作のことを指します。英語のfeedbackは、食べ物を与えるという意味の「feed」と、返すという意味の「back」が合わさった単語です。日本語では文脈に応じて「反応」「帰還」などと訳します。ここから転じて、「結果」を「原因」に反映させて自動的に調節することを「フィードバックする」と呼ぶようになりました。電子工学では、出力結果を入力側に戻して出力を制御することを指します。心理学や教育学では、行動や反応の結果を参考にして修正し、より適切なものにしていく際に使用します。ビジネス用語におけるフィードバックは「行動に対する結果を伝えること」を意味します。

フィードバックの有用性

フィードバックは人材育成に大きな影響をもたらします。適切なフィードバックは次のような有用性があります。

1. 目標達成意欲の醸成

適切なフィードバックは成長意欲を刺激し、目標達成意欲の醸成につながります。目標に対する指標を明確にし、目標に対してどのくらい達成できたのか、なぜその結果になったのか、要点を伝えて次のアクションを考えさせることで、部下の成長を促すことができます。

2. パフォーマンスの向上

フィードバックを行うことで、より質の高い行動を選択できるようになります。効果的で成果が上がると認識したパフォーマンスは持続され、その逆については改善行動を取るため、ムダ、ムラが排除され成果や結果が出やすくなります。これを繰り返し、習慣化することで、パフォーマンスは向上していきます。

3. 生産性の向上

フィードバックを受けることは、自分の強みと弱みを客観的に把握することです。自分の改善すべき点が明確になれば、本当にフォーカスするべき課題に力を注いで、短時間で効率的に業務を進めることができます。自分の弱みをカバーし、強みをさらに生かしていくことで、生産性の向上につながります。

4. エンゲージメントの向上

フィードバックは部下のモチベーションへの刺激や、エンゲージメントの向上に重要な役割を果たします。部下はフィードバックを受けることで、上司や会社から「自分が何を求められているのか」を把握します。自分の存在意義や、上司や組織から認められているという「自己尊重」の欲求を満たすきっかけにもなります。

 

効果的なフィードバックの方法

フィードバックは、仕事の成果に対する出来栄えを部下自身に判断させる客観的な情報でなくてはなりません。ここでは、ウィルソン・ラーニングが考える効果的なフィードバックを行う方法をご紹介します。

具体的かつ客観的に行う

自分の仕事ぶりに対して周囲がどのような価値判断をしているかは気になるものですが、本来、効果的なフィードバックは価値判断とは無縁のものです。ほめ言葉であっても、「良かった」「悪かった」「よく頑張っているね」「すばらしい」といった主観的な言葉だけでは、最終的に望ましい方向へ導く力にはならないと私たちは考えます。また、責め言葉であってもいけません。否定的な価値判断は部下の成長意欲を奪い、信頼関係の喪失にもつながります。仕事上のフィードバックはあくまでも客観的に行うべきです。

結果とプロセスの2つの視点で行う

「結果におけるフィードバック」と「プロセスにおけるフィードバック」の2つの視点で行いましょう。「結果」に対するフィードバックは目標に到達したかどうかを判断し、プロジェクトや業務が終了した時点で伝えます。「プロセス」に対するフィードバックは、仕事のやり方や進め方に関するものです。進捗状況に応じて、適宜行います。

スピーディーに行う

フィードバックはタイムリーかつスピーディーに行います。迅速なフィードバックが与えられることで、素早く計画を修正し、良い結果につながるような行動を取れます。

目標に関する情報を入れる

行動目標や成果目標に対して、その目標に向かっていることを確認するための指標を明確にしておく必要があります。フィードバックは部下が指標に沿って行動できているかどうかを知るために行うものです。必ず目標に関する情報を伝えましょう。

バランス良く行う

フィードバックはダメ出しの場ではありません。相手を追いつめる発言や批判、ネガティブな発言に偏らないように注意しましょう。また、過剰な褒め言葉は錯覚を招く恐れがあります。部下の成長に対する思いとフィードバックの良し悪しは関連します。具体的かつ客観的なフィードバックを心がけて、良い点も悪い点も含めてバランス良く行いましょう。

絶えず行う

一度フィードバックを行ったらそれで終わりではありません。たとえば、以前に行ったフィードバックが望ましい方向へ導いたかどうか、あるいはさらに変更が必要かを相互に確認する必要があります。そのためにもフィードバックは常に必要なのです。

リモートワーク環境下におけるフィードバックの3つのコツ

1.スピーディーに行う

リモートワーク環境においても適切なタイミングでフィードバックを行っていくことが重要です。仕事の成果や行動に対する結果のフィードバックはスピーディーに伝えるようにしましょう。

2.フィードバックの機会を積極的に設ける

オフィスにいる時と違い、リモートワーク環境では対面でのコミュニケーションが取りづらくなります。そのため、コミュニケーションそのものが疎遠になりがちです。オンラインによる1on1ミーティングや面談の機会を設定し、フィードバックの機会を積極的に設けるようにしましょう。また、オンラインランチや空き時間に雑談の時間を設けるなど、日頃から意識してコミュニケーションを取り、良好な信頼関係を維持する工夫をすると良いでしょう。

3.的確な言葉で伝える

フィードバックは、伝え方次第で、相手のやる気を促すことにも削ぐことにもつながります。感情的な言葉や主観的な思いではなく、行動の結果に対する明確で具体的なフィードバックを行いましょう。メールやチャットで伝える時は、一方的な情報伝達にならないように、言葉の選び方に注意を払いましょう。

たとえば部下から業務報告に対するフィードバックをする際に
「このような報告では困ります。具体的にお願いします。」
ではなく次のように具体的の中身を示しましょう。

「●●さんの業務状況をしっかりと把握したいので、次回から次の4つの要素を盛り込んだ報告内容にしてください。
➊「状況と目的」
➋「➊に対する具体的な行動」
➌「行動の結果や成果」
➍「ネクストアクション」
そうすれば何か問題が起きた時に●●さんと一緒に問題解決ができますからね。よろしくお願いします。」

まとめ

人材育成の観点では、フィードバックを行った際の相手の態度・表情や声の調子といった感情の揺らぎが出やすい部分に意識を向けることも大切です。リモートワーク環境ではオンライン画面を通してのコミュニケーションになりますので、相手の細かな表情の変化や仕事に対するモチベーションの変化に気づきにくくなります。改善すべき点があるのなら「部下と一緒に考える」など、次の行動につながるアクションを取ることも大切です。
お互いに離れた環境で仕事をしている状況だからこそ、こまめにフィードバックを行うことを意識しましょう。

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