生産性を下げない!リモートワーク環境のタイムマネジメント

1日24時間という時間は誰もが平等ですが、決められた時間をどう使うかで、生産性が変わります。特にリモートワーク環境の場合、周囲の目という制約がない中で、自分自身の意思で滞りなく効率良く仕事を進める必要があります。今回はリモートワーク環境でのタイムマネジメントについて考えていきます。

リモートワーク環境の整備は「待ったなし」

COVID-19(新型コロナウィルス)感染拡大の影響により、多くの企業がリモートワークでの対応を余儀なくされています。働き方改革推進の重要施策として、以前よりリモートワークを導入していた企業もありますが、今回のコロナ禍により準備もままならずリモートワークを導入し、手探り状態で運用している企業も多いのではないでしょうか。
働き方の多様化に加え、社会情勢の変化により、リモートワークは以前にも増して注目を集めていますが、運用における悩みを抱えている企業も多く、従業員の生産性の確保および向上は、どの企業にとっても解決すべき重要課題と言えるでしょう。

企業が抱える課題

●対面時と比較してコミュニケーションが困難になる

オフィス環境であれば気軽に報告・連絡・相談ができる内容も、リモートワーク環境ではお互いの働く姿が見えないため、コミュニケーションが取りづらくなります。メールやチャットなどのデジタルコミュニケーションが主体になりますので、対面時と比較して意思の疎通が難しいと感じたり、情報が関係者全員に行き渡らず情報格差が生じたりします。日常会話や雑談など、会話そのものが減ってしまったことで孤独を感じている従業員もいるのではないでしょうか。

●自律的に働ける人でないと、業務の生産性が下がる

「オフィスにいる時よりも自分の作業に集中できる」というメリットがある一方で、「意志を持って自律的に働ける人でないと業務の生産性が下がってしまう」というデメリットもあります。いつまでに何をすべきなのか、作業の質や成果が下がっていないか、などを常に見直して自分自身をきちんと律していかなければなりません。

タイムマネジメントはスケジュール管理ではない

タイムマネジメントはスケジュールを管理することではありません。万人に平等に与えられた時間をどのように使い、どのように行動し、どのようにマネジメントしていくのかという概念です。自分自身の行動をマネジメントして、限られた時間を有効に使って最大限の成果を出し、生産性を高めていくために必要なビジネススキルです。

タイムマネジメントが求められる背景には、政府が推進する働き方改革による長期労働時間の是正や、ワークライフバランスの推奨、労働人口の減少による一人あたり生産性向上が急務であるといったことがあります。タイムマネジメントを適切に行うことで、長時間労働の回避や、On-Offのメリハリがついて生産性が向上する、個人のパフォーマンスの向上につながる、といったメリットがあります。

生産性を維持するためのタイムマネジメントの手順

では、生産性を維持するために、どのようにタイムマネジメントを行えばよいのでしょうか。ここでは、タイムマネジメントの手順をご紹介します。

1.To Doリストを作成する

まずは自分のタスクを洗い出します。
やるべき業務、急ぎではないけれどやらなければならない業務、やった方がいい業務、時間があればやりたいと思っている業務など、自分のタスクをすべて書き出します。この時、大まかなタスクだけではなく、付随する作業も含めて細かく洗い出していきます。たとえば、「企画書作成」であれば企画書を作成するために必要な「リサーチ」「データ集計」「情報分析」「構成案作成」などと細かく作業を分類します。納期が決められているものは納期も書き込んでおくとよいでしょう。そして、タスクの整理・見直しを行ってTo Doリストを作成します。

2.優先順位をつけて作業時間を割り振る

To Doリストをもとに、タスクの優先順位を決めます。そして、優先順位の高い作業に時間を使うように配分します。
納期が迫っている案件は優先順位が高くなります。スケジュールが緩やかで、時間をかけて完成度やクオリティを高める必要がある案件は、まとまった時間が取れるように調整していきます。付箋やメモ帳など手書きでTo Doリストを作成してもよいですし、デジタルツールを活用するのもよいでしょう。タスクの整理が苦手な方は、ロジックツリーやSMARTの法則などのフレームワークを参考にするとよいでしょう。

作業時間を配分する際のポイントとしては、すき間なく予定を埋めてしまうのではなく、できれば1日の業務時間のうち30分~1時間の予備時間を作っておくことです。急な依頼や予定が入ってしまい、予定していた仕事が後ろへずれ込んでしまうことはよくあります。そんな時に空き時間があれば、ずれ込んだ仕事を調整することができるでしょう。スケジュールに余白を持たせることも調整のうち、と考えましょう。

3.目標を持って行動する

To Doリストを作成し、優先順位と時間配分を決めても、実行しなければ意味がありません。何時までに仕上げるのか、今日は全体の何%まで進めるのか、誰に連絡をするのか、など行動指標を持って作業を行います。
行動するのが苦手な方は、一日のタスクを予定としてスケジューラーに入力したり、デジタルツールやスマホのアラーム機能を使ってアラートを設定したりするなど、身近なツールを活用するとよいでしょう。

4.一日の行動を振り返る

一日の行動を振り返って達成度合いを確認しましょう。計画通りに進まなかったとしても、落ち込む必要はありません。急な作業が入ってしまった、予想よりもタスク処理に時間がかかった、会議が長引いて時間が取れなかったなど、その原因を知ることが大切です。原因がわかれば、次の行動につなげていくことができます。
一日、一週間、一カ月など期間を決めて定期的に振り返って行動の見直しを行います。自分の行動を振り返ることで、得意な業務・不得意な業務も見えてきます。「やって終わり」ではなく、次の行動にどうつなげていくかが重要なのです。

タイムマネジメントの成功の視点

従来、タイムマネジメントがうまくできない原因は、時間管理におけるスキル不足にあると考えられていました。しかし、いくら高いスキルを持っていても、自分が何をしたいのか、何をすべきなのかわからなかったり、意欲を持って自主的に取り組もうとしなければ、問題は解決しません。どれだけテクニックやノウハウを学んでも、行動する意志がなければ問題は解決しないのです。

タイムマネジメントにおける真の問題は、その人の意志の問題です。限られた時間をどのように使い、生産性を上げていくのか。時間管理は、その人の存在や生き方、価値観と密接に関わっています。自分の価値観が明確になれば、自分の活動をどのようにすべきかを考えるようになります。「忙しいから無理」「時間がないからできない」ではなく、本当に自分にとって重要である、価値があると感じられた時には「どうやったら実行できるか」という気持ちに変わるものです。

「自分の時間は自分で管理する」という決意を持つことがタイムマネジメントの第一歩です。

ウィルソン・ラーニングでは、タイムマネジメントに関する定期公開セミナーを実施しています。
こちらも併せてご覧ください。

関連記事