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EUの転機で考える、国家の形とグローバル化の意味

離脱交渉の始まった英国を訪問

英国のEU(欧州共同体)離脱交渉が6月下旬から始まりました。
2019年3月までの合意をめざして月1回、1週間ほどの交渉が繰り返されるようです。

そんな英国を7月中旬訪れました。
現地では「離脱の仕方」に関する議論が活発になっています。
移民を制限する代わり単一市場からも離脱する強硬的な離脱(Hard Brexit)から、
単一市場の恩恵を何とか受け続けられるようEUと交渉したいという穏健的な離脱(Soft Brexit)論まで、意見はさまざまです。
強硬な離脱を主張したメイ首相率いる保守党が6月の総選挙で敗北してしまい、こういった議論に拍車がかかっているように感じられます。

EU側は今のところ、離脱を決めた以上、妥協することはありえない、という意見が多数を占めているようです。
交渉の行方を不安視する論調も出ています。
しかし、訪れてみると、街中では、ひっ迫した危機感は、まだありませんでした。
その理由のひとつに、通貨の問題があげられるのではないでしょうか。

英国は、欧州の統合を話し合った1980年代、当時のサッチャー首相が
「欧州は競争によって高めあっていくべきで、助け合いのような統合では発展はない」
と主張し、共通通貨ユーロの導入にも反対しました。
EUを離脱しても通貨が変わることはない――自国通貨ポンドを持ち続け、他のEU加盟国と一線を画したことが、離脱への不安を多少和らげていると言えるのかもしれません。

欧州の経済通貨統合は1992年に決定してから四半世紀を経た今、直面する英国の離脱で、EUという共同体は転機を迎えており、改めて共同体や国家の存在意義を考えさせられます。

グローバル化で変わるもの、変わらないもの

この間の技術の進歩や生活の変化は、人々に国の境を感じさせなくするような方向に進んできました。

地球の裏側の人がアップロードした動画に共感する、世界中の店を比較して買い物をする・・・ 

インターネットの発達によりこういった行動が日常で起きるようになっています。
フィンテックの一環である仮想通貨の普及が進めば通貨に国境がなくなることも考えられます。
通貨の発行権は国家が持つものという常識も覆るのです。
こういった国境を超える動きは、ますます盛んになり、止めることはできないでしょう。
国家の持つ意味が従来と変わってくる可能性すらあるのです。

 一方で、時代が変化しても変わりにくいことは、人々の習慣や意識でしょう。
習慣や意識の違いは、インターネットなどでは伝わりにくく
グローバルビジネスを推進していく上ではこういった違いを理解し、対応することがビジネス現場で求められるのです。

ウィルソン・ラーニングは創業以来さまざまな欧米企業のグローバル化推進の支援をおこなっております。
日本企業がトランスナショナルカンパニーに変遷していくうえでのお手伝いも増えてきております。

ご関心がある方は弊社までお問い合わせください。 Mail: marketing@wlw.co.jp 


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  ウィルソン・ラーニング ワールドワイドの社長 為定(ためさだ)が
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代表取締役社長  
為定 明雄  

時代が変遷する中、グローバルで必要な人材育成とは