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【日経MJ掲載】腕利き店長に聞く 強いチームづくりの視点

日経MJ「学ぶ 磨く」に当社部長の久住達也が寄稿
強いチーム作りに必要な店長の基本マインドとは

日経MJ3月28日付「学ぶ 磨く」面に当社ラーニングデザイングループ部長の久住達也が寄稿した「腕利き店長に聞く 強いチームづくりの視点」が掲載されました。

業種の異なる2人の店長へのインタビューを通じてメンバーを育成するポイントを浮かび上がらせ、行動科学や産業心理学などの理論に立脚したウィルソン・ラーニングならではの視点で上位者としての基本マインドに着目。「彼らがなぜ優れているか」をわかりやすく解説しています。ぜひご一読ください。

「人と組織の成長のパートナー」を目指すウィルソン・ラーニングのプログラムやサービスは、50年以上にわたるこうした人間の基本行動の分析に深く根ざしています。

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昨今マーケットが複雑化し、製品やサービスで差別化するのが難しくなってきたなかで、じつは、お客さまと実際に接する営業担当者や彼らに影響を与えるマネジャーの存在が優位に立つ重要なカギを握っています。

では、お客さまの支持を得ている店舗の場合、実際に現場の最前線で働くスタッフを率いる店長は、いったい何が優れているのでしょう。

携帯電話販売大手のコネクシオが運営するドコモショップの小林恵理店長とコンタクトレンズ大手メニコンの伊藤直樹店長は日々、どう部下と向き合い、強いチームをつくっているのか。弊社の久住ラーニングデザイングループ部長が、インタビューを通して明らかにしていきます。

1. 小さな変化も見逃さず、個人の成長支援を ~ドコモショップ小林店長~

ドコモショップ葛西店(東京・江戸川)の小林店長は東日本大震災の日、充電器などを求めて混み合う店内で1人の女性の言葉に触れ、自らの仕事の意義を改めて考えました。

  「“あなたたちはただモノを売るのではなくライフラインを扱っているのだからね”
と言われてハッとしました。

携帯電話は小物の中で人と一緒にいる時間が一番長い、人生を共にする必需品です。スタッフにもそれを誇りに思ってほしい。
私たちには同じ仕事の繰り返しでも、機種変更はお客さまにとって2、3年に1度のイベント。
一緒に喜び、わくわくする気持ちで接することが大事です」

だから、朝礼でスタッフの小さな変化も見逃さない。
「笑顔がなかったり、前日より元気がなかったりしたら、その顔では接客させられない。朝礼後すぐ声をかけ10分ほど面談します。
どういう気持ちなのかを必ず聴く。長くなりそうなら『安心して。一緒に解決方法を考えようね』と伝えて店頭に送りだしています」

毎日2人ほど面談をすると言います。どの店長よりも回数が多い彼女のノートには仕事で気づいたことではなく、面談内容が書かれています。

「いつもスタッフのよき理解者でありたい。メールで『大丈夫です』と書かれていても話すと笑顔はなく泣き崩れることもある。
過去に『辞めたい』と言ったスタッフには、その原因は何だったのか、今は解決しているのか確かめています」

「叱る時はポイントを絞り、どこがどういけなかったのか考える。
感情的にならないよう一呼吸置き、伝え方は人により変える。どう伝えたらいいかも面談しているとわかります」

 スタッフに願っていることは”人としての成長”。

「3カ月後、1年後、3年後、そして5年後どうありたいか問い続けています。1つステップアップしたいとビジョンが示されたら、全力でバックアップする。朝礼での話し方や身ぶり手ぶりもきめ細かくフィードバックしています。
目標を達成し続けられる店へ、そしてES(従業員満足)でもナンバーワンになりたいですね」

ドコモショップ 葛西店 小林 恵理(こばやし えり)店長
アルバイトとして約1年勤務した後、正社員に登用された。ドコモショップ錦糸町店副店長を経て2016年9月から現職。

 

2. 相手の力を引き出す対話 ~メニコン 伊藤店長~

メニコンのMeniconMiruミッドランド店(名古屋市)の伊藤店長は、CLスーパーアドバイザーという独自資格を持つ、コンタクトレンズのプロ。

「お客さまは何かしら不安や不調、疑問に感じながらも聞けないことをお持ちです。会話を深め、それをきちんと引き出す努力と雰囲気づくりが大事です。
使うシーン、背景を深く聴くほどよいアドバイスができます。新しい情報を提供し、選ぶ喜びや楽しさを味わっていただくことが店の差別化にもつながります」

柔和な顔で現場に立ち、顧客対応する傍ら周囲に目を配り、若いスタッフの仕事ぶりを観察します。

「店長だからとあぐらをかくつもりはありません。接客を部下に見せるのも店長の仕事。苦い顔をしていたらお客さまもスタッフも笑顔になれないですから。スタッフはお客さまとしっかりコミュニケーションが取れているか見ています。
楽しく会話をしているか、ちゃんと理解してうなずいていただいているか」

「『普通のお客さま』という捉え方はしません。対応しやすいから普通か、いえ、ニーズもさまざま。一人ひとりのお客さまから最後に笑って『ありがとう』と言っていただけることを店の目標にしています」

そのためにどうすればいいかみんなで考えているが、何をすべきか、せざるべきかを店でルール化しているわけではないとのこと。

「決めごとだからではなく、こう言うとお客さまはどう感じるかに気づけばおのずと答えが出る。これはいいね、よくないねと理由づけしスタッフに理解してもらう努力をしています」

部下には自分が育った時の常識を持ち出さない。店長として、能力に応じ仕事上の不得意を減らす配慮もしています。

「新人が朝真っ先にきて掃除することは以前なら当たり前のような感覚がありますが、もう時代が違う。過去の当たり前を押し付けないようにしています」

「能力も同じではない。パソコンが苦手ならPOP制作に挑戦させるなど不得意の克服につながる仕事の与え方をします。出来映えにダメだしするのではなくプラスの言葉をかける。3カ月を一区切りに成長の度合いを確認しています」

Menicon Miru ミッドランド店 伊藤 直樹(いとう なおき)店長
得意先ショップからメニコンに転じ、ミッドランド店オープニングスタッフに。
千種店店長などを務め、2016年8月から現職。

観察を通して、自律に導くことこそ上位者のゴールである


2人の店長それぞれが工夫しているメンバー育成のポイントを紹介しました。

共通しているのは、じつは店長としての基本マインド。それは以下の3つにまとめることができます。

(1)潜在能力を引き出す
(2)やりがいを与える
(3)成長の場を与える

これを意識して育成にあたるのと、ただ表層的にメンバーに接するのとでは、成長スピードがまったく異なります。

また、両店長は、メンバーが発する「サイン」に敏感です。
支援が必要な時、褒めるべき時、軌道修正が必要な時など、メンバーが自覚・無自覚のうちに出している言語・非言語のサインをふだん観察していることでわかるというのです。

意図をもって観察するには多くのエネルギーを要しますが、共に働くメンバーを個人として尊重し、その成長を心から願っている上位者は、「観察」がいかに重要であるかを知っています。

そして、成長したメンバーの姿を見ることが、上位者としてのやりがいに通じることも知っているのです。