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多様な人々との協働に向けて:第2回 多様性を生かすには

ダイバーシティ&インクルージョン~多様性を生かすには~

ダイバーシティ&インクルージョンという言葉を聞くと、みなさんはどういったイメージを浮かべますか?

女性活躍や外国人採用、LGBTや障がい者雇用といった施策が注目されがちですが、本来的には「個人の違いを受け入れ、協働していく」ことで現場主導のイノベーションや改善活動を起こしていくことがゴールです。

そのためには、従来のように終身雇用や男性社会において同じような価値観で、同じような発想を続けていくのではなく、多様な人々とのディスカッションを通じて新たな視点を得たうえで協働していくことが重要となるのです。

多様な人々との協働を推進していくためには、性別や国籍といった目に見える指標や 「自分とは違う」という自分基準のモノサシで人を判断することは不適切であるといわれています。

では「個人の違い」を客観的に図るにはどういった指標が役立つのでしょうか。

「客観的なモノサシ」であるソーシャルスタイル

ウィルソン・ラーニングでは人を客観的に測る指標として、ソーシャルスタイルという考え方を導入しています。
この考え方について少しご紹介しましょう。

ソーシャル スタイルは4つの前提から成り立っています。

前提1):「人は習慣の動物である」

人にはそれぞれ異なる環境によって身についたものの言い方や行動のパターン、すなわち「習慣」があります。

前提2):「人はそれぞれ異なっている」

それぞれの習慣によって身についた「自分にとっての当り前」は「誰にとっても当たり前」ではありません。

前提3):「人は他者の習慣について、その善し悪しを判断しがちである」 

よくも悪くも、人は人を色分けする習性があります。
色分けする時のモノサシが主観的ではなく、客観的になっているかどうかがカギとなるのです。

前提4):「言動のみに焦点を置く」

人を色分けする方法として代表的なものに血液型や星座などがあります。
しかし、これらによる色分けはたんなる分類であり、その人の個性を測るものではありません。
ソーシャルスタイルでは人が言ったりしたりすること、つまり言動にのみ焦点を置くことで、外側から観察可能となり、皆さんが日常生活で活用できるスキルでもあるのです。

「主張の仕方」と「反応の仕方」に着目

ウィルソン・ラーニングのソーシャルスタイルは、人の言動の中でも「主張の仕方」と「反応の仕方」の二軸に着目します。

■主張の仕方

主張の仕方とは、みなさんが周りの人の考えや行動に影響を与えようとする時の、言動のとり方を表します。議論の場や交渉の場において、意見がないという人はいませんが、人によって主張の仕方には違いが見られるのです

相手の考えや行動に影響を与えようとする時に、より直接的な言動をとる人もいれば、より間接的な言動をとる人もいます。

たとえば、Aさんは部下に仕事を依頼する際に「この仕事は金曜日までに終わらせてください」と言いますが
Bさんは、「この仕事を金曜日までに終わらせることはできますか?」と表現するのです。

締切に関してを直接的に言い切って伝えるAさんは「断言する」傾向にある、といえます。
反対に締切は伝えつつも相手の反応を確認しようとするBさんは「問いかける」傾向にある、といえます。

■反応の仕方

「反応の仕方」では、何か問題が起きた場合や交渉の場において、話の焦点となる言動の特徴を表します。他者から見える、人に対して自分の気持ちや思いをあらわす時の言動のとり方ともいえます。

話の焦点を業務上の「課題」に当てる傾向がある人のことを“「仕事中心」の傾向がある”といいます。
たとえば、お客さまからクレームが来たことに対する社内での対策会議において、今後やらなければいけないタスクを端的に整理しリソースを決めることを優先する人が仕事中心の傾向の人に当たります。

一方、話の焦点を業務に携わる「人」に当てる傾向がある人のことを“「人中心」の傾向がある”といいます。
先ほどの事例でいうと、お客様の気持ちに配慮しどういったフォローをしていけばいいのか、そして原因となってしまった社員に対してみんなで頑張って行こうと感情への配慮を優先する人がこちらに当たります。

「主張の仕方」と「反応の仕方」の傾向には善し悪しはなく、単にアプローチの方法が違うだけです。
そういった仕事に対するアプローチ方法の違いを認め、相手のやり方に合わせて自分を調整することがコミュニケーションを円滑にし、協働する上での第一歩となります。

フェーズ3の日本企業に求められる二つのポイント

多くの日本企業はいまこの図でいうフェーズ3<変革期>に突入しています。
安定成長していた時代には通用した従来の手法が通用しなくなり、新たな変革やプロセスの工夫が求められています。

そのようなイノベーションや改善行動を起こしていくうえで大事なことは二点です。
「多様性を生かす」そして「枠を超えた連携、全体最適にむけた協働」です。

市場が潤沢であった時代には、会社の経営層が決めた戦略をそれぞれの立場の人たちが言われたように遂行していれば業績は伸びていたかもしれません。
しかし今のような変革の時代には、受け身の姿勢でいては業績停滞どころか下降の一途をたどる可能性すらあるのです。

一人ひとりが自分の与えられた役割を超えて社会や企業全体に必要な取り組みを現場から起こしていくマインドセットを整えることが重要といえるでしょう。

次回、最終回は「交渉においてソーシャルスタイルをどのように生かすか」というテーマでご紹介いたします。

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多様な人々との協働に向けて 第1回の記事はこちら